今回は、Pythonでの変数名の正しい付け方についてご紹介します。
Pythonでプログラムを開発する際、変数名をどのように付けるかは非常に重要です。
可読性や保守性を高めるために、命名規則や意味を持たせた変数名を意識しましょう。
今回は、PEP8というPythonのコードスタイルガイドラインをもとに、snake_caseを使った命名を中心にご紹介します。
変数名を正しくつける意味
変数名を正しく付けることは、開発者同士のコミュニケーションをスムーズにし、誤解を防ぐ上で欠かせません。
プロジェクトが大規模化するほど、多くの場所で同じ変数が使われたり、複数の人がコードを扱ったりする機会が増えます。
そのため、変数名を統一したルールで付けておくことが、後々のトラブルを防ぎ、保守性を高める大きなポイントになります。
Python変数名の基本ルール
Pythonでは、snake_caseが推奨されています。
たとえば、user_name や total_price のように、複数の単語をアンダースコアで区切る方法です。
PEP8に準拠したコーディングスタイルを意識すると、Pythonらしいコードを書くことができます。
また、変数名の先頭に数字は使えず、予約語や組み込み関数名の再利用は避けましょう。
以下は代表的なルールです。
- 先頭は英字またはアンダースコア(数字は不可)
- 大文字小文字は区別(name と Name は別の変数)
- 意味のある名前を付ける(a や x のように短すぎる名前は避ける)
- 予約語や組み込み関数名(list や str など)の上書きはしない
基本的な使い方の例
ここでは、具体的な良い例と悪い例を確認しながら、変数名の命名について理解を深めましょう。
良い例
1 2 3 4 |
user_name = "Alice" total_price = 1500 MAX_RETRIES = 5 # 変更されるべきでない値(定数) |
上記のように、意味のある名前を意識し、スネークケースを使うことで、変数が何を表しているかが一目でわかります。
定数に近い扱いをするものは、大文字とアンダースコアで命名すると区別しやすくなります。
悪い例
1 2 3 |
a = "Alice" # 意味が不明瞭 tp = 1500 # total_priceの略語としては不十分 list = [1, 2, 3] # 組み込み関数の上書きで危険 |
このように、意図が伝わりにくい変数名や、組み込み関数名の上書きは避ける必要があります。
クラス内での変数名
クラス名は各単語の先頭を大文字にしたキャメルケースが一般的です。
また、クラス内のプライベート変数には先頭にアンダースコア(_)を付けることで、「外部から直接アクセスしない」ことを示唆できます。
1 2 3 4 |
class UserProfile: def __init__(self, name, age): self._name = name self.age = age |
次に、短いサンプルコードを用いて実行結果を確認してみましょう。
1 2 3 4 5 |
def greet_user(user_name): print("Hello,", user_name) user_name = "Alice" greet_user(user_name) |
Hello, Alice
よくあるエラーと注意点
Pythonで変数名を取り扱う際、特に以下の点に注意する必要があります。
- 予約語や組み込み関数名を再利用するとエラーや予期せぬ動作を引き起こす
- 大文字・小文字が異なるだけで別の変数として扱われる
- 数字で変数名を始めようとすると構文エラーになる
プロジェクトが大きくなったり、チーム開発が進んだりするほど、命名規則の統一が重要になります。
まとめ
Pythonの変数名は、snake_caseを中心とした命名規則を守ることで、可読性と保守性を向上できます。
意味のある名前や、PEP8に準拠したスタイルはチーム開発や長期的な運用で大きなメリットをもたらします。
ぜひ、プロジェクト全体で命名規則を統一し、見やすく理解しやすいコードを書いていきましょう。